中二病キャラのエゴグラム分析

今回は、中二病(厨二病)キャラ三名のエゴグラム分析をしたいと思います。

・診断とグラフ

三者の回答比較表

・演じようとしているエゴグラム

・実際と演技の差

三者の比較

・実際のエゴグラムの数値の推測

・カラ松と田中のNPの解釈の難しさ

三者の演技性と本質

という構成で記述していこうと思います。

 

今回分析するのが以下の三名。名前にピクシブ辞書のリンクを張っています。


松野カラ松 アニメ おそ松さん
岡部倫太郎 ゲーム原作・アニメ シュタインズ・ゲート
田中眼蛇夢 ゲーム原作・アニメ スーパーダンガンロンパ2/ダンガンロンパ3絶望編

 

診断に利用するのが「適職診断 VCAP」というサイトです。皆さん自分のタイプの診断もやってみると面白いと思います。


エゴグラムの概要についてはこちらを御覧ください。

http://vcap.vone.co.jp/kai.php

はてなのページの内容を引用:

CP=厳しい心。正義感が強く理想に燃える心。

NP=愛性の心。優しく保護する心。

 A=大人の心。冷静に分析する理知的な心。

FC=自由な心。天真爛漫で無邪気な心。

AC=順応する心。いい子を演じようとする心。

 

これらの5個の要素をABCで三段階評価をするのがエゴグラムとなります。

Aが高、Bが中、Cが低です。

例えば、ABCABという結果ならば、

CP=A(高) NP=B(中) A=C(低) FC=A(高) AC=B(中) という形になっています。

アルファベットの前から、

CP=父親 NP=母親 A=大人 FC=自由な子供 AC=従順な子供

という担当になっています。

 

診断は「彼らがどう答えそうか」ではなく「彼らが実際どうか」で答えています。

 

■松野カラ松の概要

松野家の六つ子の次男坊。演じるイメージは「ギルドガイ」。ハード&ソフィスティケイテッドなファッションで、レディファーストで博愛主義な孤高の男を演じている…いや、演じようとしている。尾崎豊リスペクト。揃いも揃ってクズの六つ子の中では穏やかで優しげのある方。打たれ弱く、主張を軽んじられやすい。中二病(厨二病)かというと微妙な所で、ただひたすらナルシスティックで、痛々しく、センスがズレている。

人間性が欠けているクズ」というギャグアニメ(ギャグ漫画)としての像と、「実は心優しくイタさや演技性を自覚している…?」というシリアス回から推測される像からの乖離が大きくキャラ解釈に難しさのあるキャラ。

 

『クッ…俺はどうしたって周りを傷つける罪な男、ギルドガイ。八方ふさがりだ、エイトシャットアウツ。孤独に生きるしかない、オンリーロンリネスライフ』

 

※一期のみ視聴していますので、二期は参照していません。ご了承ください。


■松野カラ松の診断

画像を見るには「右クリック」→「新しいタブで画像を開く」でお願いします。

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■松野カラ松の結果【BBBAB

エゴグラムの【アルファベット列】にリンクを貼ってあります。

結果の内容も読んでみてください。

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■岡部倫太郎の概要

邪気眼厨二病の大学生。演じるイメージは「マッドサイエンティスト」。非人道的で冷徹非情なアドレナリン過多な科学者を演じている。ネタバレになるが、彼がマッドサイエンティストを標榜するようになったきっかけは、彼が中学のとき、祖母を亡くした幼馴染の椎名まゆりが失語症に罹り、特撮の悪役のモノマネをして元気づけようとしたことにある。(白字反転)

“ラボラトリー”の長であり、安部屋を借りて仲間(ラボメン)とヘンテコグッズを製作したり遊んだりしている。普段ラボメンをコケにした発言をすることが多いが、実は仲間想いで責任感が強いタイプ。ラボメンにいいように御されることもあり、ヘタレな部分も。八百屋の息子でその手伝いもしているので普段の非常識な傍若無人さとは裏腹に通常の社会性は持ち合わせている。複雑な物事に対する理解度が高く、脳科学者の牧瀬紅莉栖とも議論を交し合う。コテハン(固定ハンドルネーム)持ちの2chヘビーユーザーで、オカルト板や科学板をよく見ている。仰々しい語彙と同時にネットスラングも高頻度で使う。シリアスな部分も多い作品なので、状況によってずいぶん岡部の気質は変わってくるため、厨二病をやめるシーンもある。

 

『フゥーハハハ!! これが運命石の扉(シュタインズゲート)の選択か…! エル・プサイ・コングルゥ

 

■岡部倫太郎の診断

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■岡部倫太郎の結果【BBAAC

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■田中眼蛇夢の概要

邪気眼厨二病の高校生。超高校級の飼育委員として希望ヶ峰学園に所属している。絶滅危惧種の繁殖に成功しているブリーダー。動物と会話できるらしい。演じるイメージは「氷の覇王」。ダークファンタジーの魔族を演じている。人間ではなく、肉体は仮の姿という設定。自分を天使と悪魔のハーフと言ったり、人間と悪魔のハーフと言ったり設定が安定しない傾向あり。設定の不安定さとは裏腹に、非常に意思が強く周りに流されないタイプ。動物の飼育から得た死生観とダークファンタジー的な世界観とが融合したぶれない軸を持っている。他二名と比べても言語のやり取りに困難を生じやすく、むしろ話が普通に通じる相手の方が少ない。まれに「ありがとう」「じゃあ勘違いしたのかな?」等の丁寧語が出現するが演じ忘れたとか気が抜けたという訳ではなく、感謝や謝罪を伝えるためにそういう言葉遣いをしているようである。


「少し古い話をしよう…俺様は悪魔と人間のハーフとして産み落とされ、そのどちらからも忌み嫌われた存在…誰かにラジコンを買って貰った事がないせいか、これが酷く愛おしく思える…」

 

■田中眼蛇夢の診断

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■田中眼蛇夢の結果【ACABC

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■全員の診断

青がカラ松、緑が岡部、赤が田中です。

色が重なっている所は色が見えているキャラから消去法で判断して下さい。

画像を見るには、「右クリック」→「新しいタブで画像を開く」でお願いします。

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■演じようとしているエゴグラム

 

松野カラ松:CPを高く、NPを高く、Aを高く、ACを低く見せようとしている。

CP↑ ハードな男
NP↑ 博愛でレディファースト
A↑ リアルでシビア

FC 特になし
AC↓ 周りに流されないスタイル

他二名と比較して特筆できる点は、FC以外の項目で、演じようとしているイメージと実際とが一段階差があるかないかの大きな乖離があること。演技と実際の差だが、押し負かされやすいためCPは実際低い。とりわけ身内に対しては自己中心的な面を見せやすくNPは多少低め。少々だまされやすい所がありAは低め。自分の意見を強く言うよりは周りに合わせることの方が多いためACは多少高め。【AAABC】ないし【BAABC】の像を見せようとしている様子。ちなみに尾崎豊のテンプレートイメージは【BBBAC】かと思われる。

 

岡部倫太郎:CPを高く、NPを低く、Aを高く、FCを高く、ACを低く見せようとしている。

CP↑ 傲慢不遜
NP↓ 鬼畜で非道 
A↑ 実利的でドライ

FC 好奇心のためならば…
AC↓ 俺の辞書に追従という二文字はない

持ち前の好奇心や探究心から実際にFCが高く、他の項目と比べれば意識的な演技性は強くない。素は正義感が強すぎも弱すぎももしないため実際CPは多少低め。ただしシリアスな場面に入ると正義感が強くなるため、今まで演じていたCPの高さを負のCPと言うならば、正のCPとも呼べるCPの高さが出てくる。要するに悪役的CPではなく、正義の味方的CPである。自分の優しさや思いやりを照れ隠しに誤魔化すことが多いためNPは実際は結構高め。もともと利己的に実益を判断するため元来Aは高めではあるが更に高く見せようとしている。過剰なテンションの高さでFC的な要素を全面に押し出しているがその演技とはまた別に、本人自身の好奇心や探究心の現れとしてFCの高さを持っている。素も追従的というわけでもないが、臆病者だったり、はっきりとした態度を取る人に日和る部分もあるため、ACが強く出るタイミングも結構ある。高額当選の宝くじを当てようとすることに尻込みしたときの態度、ブラウン店長に対する怯えた態度、電話レンジの電源を入れてくれと紅莉栖にヘンテコ敬語で頼むシーンなどがそれである。【ACAAC】の像を演じようとしていると思われる。

 

田中眼陀夢:CPを高く、NPを低く、Aを高く、ACを低く見せようとしている。

ACABC】の像を演じようとしていると思われる。診断で出たタイプと同じで、あまり本人の演じている像と実像に相違ない。岡部と同様にNPを低く見せようとしているフシはあるが、もともとNPがさほど高いほうでもない。他のCP、A、ACに関しては明らかな差は見られない。本来の彼のNPの値がBかCかは微妙なライン。ネタバレになるため詳細は省くが、彼の活躍した章では彼のCPの高さ、Aの高さ、ACの低さを象徴的に表現しており、NPの解釈に強い戸惑いが生じるような動機で動いているのが読み取れる。

 

それでは、キャラごとの実際のエゴグラムのありえる数値を考えてみましょう。

 

■松野カラ松【診断結果:BBBAB】

CP:B~C

押しが弱く、マイルールは強く持っているもののそれを他人に要請したりすることはない上、誰かにああしろこうしろと言うことも非常に少なく、CPはCと考えてもおかしくなさそう。

NP:B

Cもあり得るか…と思ったが、ブスの花の精の回の不健全なNPの出方であるとか、優しげという点ではチョロ松よりマシでチョロ松のNPはBくらいな所から判断して、同程度か少し高いぐらいか。

A:B

六つ子全員がそうだが甘ちゃんな部分(非A要素)と自分の利益をいかに多くするかを計算するという部分(A要素)総合的に判断してAはB程度か。

FC:A~B

おそ松とか十四松とかのFC振り切れ勢と比べると多少FCは低く思える部分も。

AC:B

自分の世界観を押し通そうとするのでお世辞にも社会的には追従的とは言い難いが、周りの反応を見るタイプなので総合的に見てB。解釈によっては、あまりに非常識でマイペースを極めているのでACの低さがぶっちぎっていて、カラ松事変(誘拐回)から見るにACが非常に高いようにも見える。

 

可能性のあるエゴグラム・・・CBBAB、CBBBB、BBBAB、BBBBB

 

■岡部倫太郎【診断結果:BBAAC】

CP:B

素の彼はCPは中程度と思われる。通常程度の責任感や正義感があり、他者にもそれを守らせようとする言動は多くも少なくもない印象。

NP:A~B

誰かを励ますために積極的に行動することが多いためNPはAあってもおかしくない。通常自己中心性をアピールすることで自分の優しさを隠している印象。

A:A

平常時もかなり高め。

FC:A

演技抜きにしてもかなり高い項目。作中、展開がシリアスになるにつれ減っていく。

AC:B~C

人目をはばからず厨二病をやりきるのが日常化しているメンタルと、妙にヘタレて流されやすい部分を合わせて考えるとC~Bのあたりになるかと思われる。

 

可能性のあるエゴグラム・・・BAAAB、BAAAC、BBAAC、BABBC

 

■田中眼蛇夢【診断:ACABC】

CP:A

意思の強い方ではあるが、他者への働きかけは弱い。かなり理想主義的ではあるのでCPはAと判断。

NP:B~C

誰かのために何かをやることはほとんどないと言っていいかもしれないが、受容性はそこそこ高い方なので、NPはBもあり得る。

A:A

演じているキャラクターや他者から受けるイメージそのものは岡部と方向性は変わらないが、岡部と違って田中は現実にそぐわない世界認識を持っているため、Aが岡部より低いとも取れなくもない。ただし、ここ一番で論理的な判断ができる人物のため、その点を加味してAは最高値と解釈。動物の飼育から得た死生観にシビアな視点を持っており、この点も田中のAの高さを象徴している。

FC:A~B

幼少期のエピソードを聞くに、多少引っ込み思案というか控えめなところがあるため、FCはBもあり得るか。遊びに誘われず切なそうにするシーンもあるので、今でもそういう所は大きく変わっていなさそう。

AC:C

追従的という言葉からはかけ離れている。周りと同じ行動を取るにしても、自身で判断してから行動するタイプ。アウトローを気取りたがって変な行動を取るというより、自分の頭で考えた行動が結果として変なことをしていると解釈されることが多い。

 

可能性のあるエゴグラム・・・ABAAC、ABABC、ACAAC、ACABC

 

三者の比較

三者共に、CPとAを高く、ACを低く見せようとしていることが分かった。カラ松のみはNPを高く、岡部と田中はNPをグッと低く見せようとしている。岡部のみFCを高く見せようとしているが他の項目(CP、NP、A、ACに関する演技)に比べるとそれほど作為的ではない。

カラ松がFC以外の項目で三段階評価で、一段階数値が違うのもあり得るのではないかというくらいかなり実像と乖離したイメージを演じようとしているのに対して、田中は三段階評価ではなく百分率で連続的に捉えたとしても若干量しか差はない。(NPは解釈にもよるが) その中間にあたるのが岡部。NP以外の項目でもともとの性質を過剰な演技で強化しており、NPに関しては過剰な演技で誤魔化そうとしている。

 

■カラ松と田中のNPの解釈の難しさ

私が気になったのは、カラ松と田中のNPの解釈の難しさについてである。個人的解釈をベースに話すことになるが、同様の解釈をする人も多いはず。

まずカラ松に対して、六つ子として自己中心的でクズなのは前提としてあるが、十四松と同じように心根の優しさを持ったキャラという解釈を持っている。これをABCという三段階で評価するときに、一松を助けてくれたカップルとかの“当たり前に優しい人”と比較してCとも取れるし、彼の繊細な精神性とか兄弟全員に足蹴にされてもなんだかんだ受容してしまう所とかを考えてAとも取れるし、それの間を取ってBとも取れる。

田中に対しては、彼自身の意志でNPを最低値にするというような生き方をしたといってもいい。それに対して彼の「優しさ」を評価するというのは彼の人生の冒涜になりうる。ネタバレを回避するために抽象的な言い回しになるが、NPの低さこそが彼の優しさとして現れたとも言える。

単純に他者に与える思いやり・表に出す気遣いを評価する基準がNPなのであって、抽象的な次元での優しさというものを包容しない尺度がNPなのだと思われる。その尺度で見ればカラ松のNPはBかC、田中のNPはCでよいと思う。

 

三者の演技性と本質

三者の演技性と本質について個人的解釈が強くなりますが分析していこうと思います。

松野カラ松:『自己演出への憧れ』

岡部倫太郎:『喜劇俳優

田中眼蛇夢:『社会不適合の盾』

 

 

 

ニューダンガンロンパV3、フィクション讃歌の物語

ニューダンガンロンパV3は怪作でした。私にとっては神でした。

ダンガンロンパは発売日の1年後、スーパーダンガンロンパ2は発売日にプレイし、ニューダンガンロンパV3は発売日にPS4本体と同時購入しました。

賛否両論のニューダンガンロンパV3でしたが、私は今までプレイしたゲームの中で一番素晴らしい作品だったと思いますし、長い間好きでいられる確信もあります。

 

 V3全編のネタバレを含みますので、クリアしていない方はご注意下さい。

 

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